2013/06/04

法務省データ 在日ブラジル人 人口ピラミッド



人工ピラミッドグラフの作成が遅れていましたが、
(下の目盛を左右うまく合わせるのが難しい!)新年の仕事として
2011年12月末のデータですが在日ブラジル人と在日中国人の
人工ピラミッドを作り直してみました。

両国を比較すると特色が良く分かります。
中国からは若い人が来ていることがはっきり分かります。
家族と共に来日したブラジル人は教育問題、将来の高齢者問題
など家族の問題が多く存在しています。

しかし、中国人の場合には女性が男性よりこれほど多く来日している
ことは驚きです。念のため法務省のデータを確認しましたが間違い
ありません。







  












 http://tspublic.jimdo.com/data/population-pyramid/





移民 : 映画紹介 (少し長めです)



多文化共生に関心ある方またはご本人が海外から来られた方へ。

1)「二つの祖国で」というドキュメンタリー映画。
(東京では少なくとも銀座で1月11日まではやります)

対象が戦時中と戦後の話なので今に引き付けて考えることはそぐわない
のかも知れませんが関心があれば是非。

http://www.cinematoday.jp/movie/T0015848

第二次世界大戦時のMIS(Military Intelligence Service=陸軍情報機関)
の中心的組織であった日系陸軍情報部の活動を描いた作品。
米国籍を持ちながら人種差別を受け、それと戦いながら、一方では父母の
祖国・日本と戦った日系二世。彼らの祖国・米国に忠誠を誓い、終戦後は
日本の再建に尽力した彼らの活動、気持ちを映し出している。

この映画を観て
・(この映画の主目的ではないが)ルーズベルトが真珠湾攻撃を知っていた、
とする説があるが、可能性は大きいのではないか。
 なぜなら1941年12月の真珠湾攻撃の一か月前に二世とKIBEI(帰米?)を
集め徹底的に日本語と英語の訓練を始めていること。また、日本の暗号は
このMISにより解読されていた、ということから。
物量の差は当然だが、それに加え、敵国語である英語を使わせなかったり、
情報の重要さを認識できなかったことでも勝負は見えていた。

・彼らは祖国・米国に忠誠を誓い親兄弟と闘う道を選んだが、祖国は血を
分けた親兄弟に銃を向けるほど優先度は高いのか?

・確かに彼らの貢献は大変なもので、この方たちがいたから終戦が早く来た、
戦後も彼らがいたから復興が早く進んだ、ということは事実であろう。
 しかし、戦時であったからこの日本語の訓練もなされ、優秀な通訳人が
多数生まれた。つまり、この大戦があったから彼らは活躍する場が与えられた。
もし平時であったどうだったのだろう、これほど集中的に勉強をする機会も
なかったでは、そうであったら彼らの運命はどうだったのか。

 この映画で新しく知ることが多くあったし、映画としてはとても良く出来て
いて面白いが、平時に参考にする部分はどこなのだろう、と整理がついていません。
二つの国に生きている人々はどういう感想を持たれるのでしょう。

2)「愛について、ある土曜日の面会室」(既にFacebookには書きました)
ちょっと不思議な題ですね。これも銀座で。

ロシア系の若者、アルジェリアから来た青年とその母、貧困家庭の男性・・・
境遇の悪さが犯罪を引き起こすという、「環境」にその原因を求めることは
すべきではないと思いますが、実際に移民や貧困の実態はかなり厳しいのは事実。
この若い女流の監督はきめ細かくそれぞれの生き方を描き出し、緊張の続く
120分です。
観たものにその先を考えさせる余韻のある終わり方はフランス映画らしいし、
最後に流れるピアノ曲もぴったり。
映画ファンだけでなく移民問題などに関心のある方、是非どうぞ。

http://www.bitters.co.jp/ainituite/introduction.html

方言 年始の放送から



何末年始にはお笑いが多く(それが決して悪いというのでありませんが)
どのチャネルを回しても(これも古いですね、チャネルが回るなんて)
同じ顔ばかりでラジオやCDを聴いていました。
しかし、その中でも面白いものがありました。

今回ご紹介するものは日本語教育に関わる方々が多いので「方言」に関する
ものです。
年賀状に住所を書く時に、緑町、羊が丘(羊が居るのか?)、中区、東区・・・
本来そこにあったはずの住所ではなく効率化だけを考えたような住所名が
多いのに気づきます。勝手に日本の文化を壊したのは重罪!てなことを
考えていましたが、今回の放送はその考えが正しいのだと思わせてくれました。
方言、昔の名前復活!(ちょっと懐古主義?)
因みに、私の生まれた通りの名前は無くなってしまった、それを知った時には
ルーツが無くなった寂しさを覚えました・・・。

1)tv asahi 2013年1月1日(火)夜11時40分〜深夜1時10分で放送された
「あの名曲を方言で熱唱!新春全日本なまりうたトーナメント」

方言の持つ温かみを堪能させてもらいました。特にお気に入りの山形の
民謡歌手(なんと小学生と中学生では日本一になった実力派)朝倉さやさん
の歌にはびっくり。今回紹介できるのは予選の時に歌った「タッチ」だけですが、
決勝の時の「ロビンソン」もYouTubeにupされるでしょう、待ち遠しい。
是非聴いてください。

司会の桂文枝(元の三枝)さんも触れていたと思いますが、「母語」で歌う
説得力はすごい。地方の方も(言葉の差は外国の人と違って小さいとはいえ)
バイリンガルですね。この文化を捨てないでほしい。(ドイツではミュンヘン
からの放送は、報道番組でもバイリッシュ(バイエルン語・・彼らに言うと
怒られますが、「方言」)でやられますし、他の地方もそうです。)

https://www.youtube.com/watch?v=20UKHWM5VOo

この歌詞と比べてお聴き下さい。可笑しく思えますが、これでないと山形では
気持ちは通じないのでしょうね。
http://www.uta-net.com/song/2978/

放送の概要
http://www.tv-asahi.co.jp/namariuta/

ついでに:サウンドオブミュージックの
「My Favotite Things」
を津軽弁でジャズとして歌うとどうなるか。
これはかなり前からNHKで流されているものですが
今回、朝倉さんの歌に刺激されてYouTubeで探しました。

http://www.youtube.com/watch?v=epWuBjK8MHk

2)もう一つはNHKの1月2日深夜の
  「コメディー"新・ロメオとジュリエット"
                〜東北弁で笑い飛ばせ」
シェイクスピア・カンパニー主宰、東北学院大学教授…下館和巳

話の主なことは下記のURLのプロフィールにありますのでご覧ください。

http://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/culture/100414.htm

2012/12/27

文科省 : 障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)について


以前にも投稿しましたが、文科省では高等教育における
障がい学生の支援を目的とした検討会議を今年になって
開きました。
そのまとめが出てきました。

参考:
日本では大学・大学院に通う250万人の学生のうち1万人
(0.3%)が障がいのある学生ですが、アメリカでは10%です。
その受入を改善しようとするものですが、当然、キャンパス内
だけでなく、学校までのアクセスを含め環境を考えなければ
いけませんし、その後の就職のことも合わせ、社会全体で
どう受け入れるかをしっかり考えなければ改善にはつながりません。
厚労省では障害者雇用についての会議が開催されています。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/12/1329295.htm

法務省 : 入出国データ2012年10月現在



昨日2012年10月分が好評されましたので表にしました。
今回はフィリピンとブラジルを同じ表に載せてみました。
フィリピンと日本の間の動きは相変わらず大きく、一方のブラジルは4,000人規模で安定しています。

フィリピンからの入国は 174,910人
  出国は         156,670人
で入国が多くなっています。

ブラジルからの入国は   41,054人
  出国は           41,661人
でほぼ変わりがありません。

短期滞在の人もいますのでこの差がそのまま登録者数にはなりませんが、2012年末ではフィリピン人とブラジル人の数字が逆転している可能性は大だと思われます。

因みに2011年末はご存じのとおり
ブラジル人  210,032人
フィリピン人 209,376人
とその差は656人でした。

HTMLでご覧になれない方がおられるので仮のホームページに載せました。

http://tspublic.jimdo.com/data/entrydeparturedata/

尚、今回データと表には載せませんでしたが、尖閣諸島の問題が大きく
響いているようで、中国大陸からより台湾からの入国者が多くなって
いるのも最近の特色です。

文科省 : 田中文部科学大臣会見(平成24年12月25日)のビデオ


田中文部科学大臣会見(平成24年12月25日)のビデオです。

http://www.youtube.com/watch?v=RQzNz3Esag0&nofeather=True

これまでの感想を求められての答え。

2:20~5:20 例の大学認可の問題 8:25~ 定時制高校の話

「大学設置認可の在り方の見直しに関する検討会」
は3回開催されました。
マスコミは真紀子叩きの雰囲気がありましたが、問題のある
大学の存在も事実だし、今回の事務方の対応の悪さもあった
様で気の毒な面も。

田中大臣が言われるように検討会ではいろいろアドバイスが
あり少しは改正されるのかと思いましたが、委員の中には実際に
「大学設置分科会」「学校法人分科会」に参加している人たちも
いて不思議に思いました。
(実態の報告するための出席者であれば別ですが。)

規制緩和で平成6年度まで審査機関を20か月としていたものが、徐々に
短くなり、平成15年からは7か月に短縮された。その弊害がある、
との指摘もありましたが、もう一つは人手不足では
平成24年度の運営調査は700法人に対して35法人のみ。
重要な教育にもっと予算をつけると同時に、審査のプロの育成も
しっかりしなければ明日の日本を背負う若者の教育はどうなるのか。

また、経営情報が良く見えない、寄付者の金の出所が分からないケース
もあるし、そもそも提出資料も不備だったり、不正申請があったり・・。
そんな人たちに学校・教育を任せられるのだろうか。

今回の会議を傍聴して、関係者には是非ISO26000(社会的責任のガイド
ライン)を熟読して欲しいとの思いを持ちました。
透明性、説明責任・・・。関係者とは学校設立する人、審査をする人、
自治体、国。

私学の代表者が
「大学にとって一番重要なステークホルダー(利害関係者)は学生で
あるが、彼らは設立にも経営にも参画していないし、大学に関する情報に
アクセスも出来ない。
事前の審査を規制緩和で緩くしたのであれば、事後の審査をきつくするのが
当然。」と発言されていた。
学生の一生を台無しにしてしまうようなことが無いようにしっかり審査
して欲しい。

文科省がどのように持ってゆくのか分かりませんが、大臣が指摘したように
10月に認可して、翌年4月には開校、という方式では当然フライングしか
在り得ないのでこの形は変えざるを得ないのでは・・。

もう少し様子をみてみます。

第2回目の配布資料はWEBから落とせます。この資料4は参考になります。

http://bit.ly/V30CAI

外務省/文科省 : ワークショップとセミナーのご案内



ワークショップとセミナーのご案内です。

*但し、この二つは同日に開催されます。
省が異なるので仕方がないのですが、両方に関心のある人間にとっては
痛い。

1)多文化共生に関心のある方に

外務省とIOM(国際移住機関)の事業

平成24年度 外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップ
「大規模災害と在留外国人」
・日時: 2013年2月6日(水)13:30-17:00
・会場: 大田区民ホール「アプリコ」東京都大田区蒲田5-37-3

http://www.iomjapan.org/news/event_031.cfm

2)教育に関心のある方に

文部科学省とOECDの事業

「高等教育のグローバル戦略−世界動向と政府の役割の再検討−」をテーマに、OECD/Japanセミナー
・日時: 平成25年2月6日(水曜日)〜2月7日(木曜日)
・場所: 東京工業大学「蔵前会館」(東京都目黒区大岡山キャンパス)

http://www.mext.go.jp/b_menu/gyouji/detail/1329168.htm

文化庁/文科省 : 日本語に関する会議の案内

日本語教育に関わる方々にとって重要な会議が殆ど同じ時間に開催されます。

文科省と文化庁でどうして調整が出来なかったのでしょうか。
(文化庁の会議はかなり前に決まっていました)
せめて午前と午後にするとか・・。

傍聴が可能で、まだ申込期限まで時間があります。

・・・・・・・・・・・・・

文化審議会国語分科会日本語教育小委員会指導力評価に関するワーキンググループ(第6回)

日時 :平成24年12月27日(木曜日)14時〜16時

議題
(1)指導力評価について
(2)その他

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/bunkasingi/shidou_wg/06/annai.html

・・・・・・・・・・・・・

日本語指導が必要な児童生徒を対象とした指導の在り方に関する検討会議(第3回)

日時 : 平成24年12月27日(木曜日)13時00分〜15時00分

2.議題

* 日本語指導が必要な児童生徒に対する「特別の教育課程」の在り方について 等

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/12/1329075.htm

経産省 : 日本興業標準調査会 標準部会 高齢者・障害者支援専門委員会


本日、初めて経産省の  日本興業標準調査会 標準部会   の「高齢者・障害者支援専門委員会」を傍聴しました。

これまで文科省と厚労省の障がい者に関する会議を傍聴させて
貰ってきましたが、経産省がどのように関わるか知らなかったので。

本日はJIS規格に関する議論がなされていました。あるものは新規の
規格の提案、あるものは現在の規格の改正案。(そういう会議だった
のも知らずに傍聴。)

恥ずかしながら本日までJISに障害者・高齢者に関するハンドブックが
存在することすら知りませんでした(2011年版では38・・帰りに
日比谷図書館で確認)。

新規案件は
補高便座(便器の上に載せて障害のある人が使えるようにしているもの)

ベッド用テーブル(病院や介護の現場で使っているもの)
の規格。
これまでこれらに規格が無いまま使われていたことにびっくり。

議論を聴いていて、分かりにくい手書きの図面を使っていたが、経産省
とあろうところがなぜCGでシミュレーションするようにしないのだろう。
これでは誤解を招く恐れがあるのでは、と思いました。

今回の重要なポイントはJIS S0031の改正案でした。
この正式名称は
高齢者・障害者配慮設計指針−表示物−
 色光の年代別照度コントラストの求め方

背景は、高齢者になると青い光が見えにくくなるが、最近のLEDの急増で
ニーズが高まったのでそれに合わせるというもの。
問題となったのは、その適用範囲に
「・・・但し、正常色覚と異なる分光視感効率をもつ色覚障害のある人々
またはロービジョンの人々が見る視覚表示物は対象としない。」
となっている点。
これが障害者排除に聞こえるし、赤が識別できない障害者が多いのにも
拘わらずその規格が無いまま健常者の青色だけ対象とすることは問題で
ある、ということ。
その後、CUD(カラー・ユニバーサル・デザイン)や「障害者の権利条約」
の話なども出され、この議論は今後も続くことに。

また、新しく加わった委員から
「高齢者・障害者」という名前がこの会議についているが、
そのコンセンサスをもう一度固めるべきではないか、
との意見も出されていた。

JIS規格は障害のある人々が学ぶ場所、働く場所にも大いに影響するので
これらの話は他の省庁も巻き込むべきなのでは、とも思いました。

今後も進展があれば報告します。

2012/12/20

文科省 : 大学設置許可の在り方の見直しに関する検討会


掲題会議を傍聴しました。
選挙で忙しい田中大臣も新潟での選挙活動を中断して本会議に出席されていました。
第1回を傍聴できなかったので十分に資料を読んでいませんが、少しだけ書きます。
全体としては
見直しは重要なことだと認識するし、これを機に良い方向に進むことを期待しています。
しかし、設置認可の在り方の前に、国の方向と、その中での大学の役割(社会に出たくない若者の受け皿となったり、逆にビジネススクールのように就職のための機関は本来の姿ではないはず!)、更に、どのような若者を育てるか、と言う本質的な議論がなされなければならないのではないか、との感想を持つと同時に、質の担保の観点から、現在携わっている外国人学校の現状にも責任を感じました。
今日の話の中から何点か
審査の合理化:
第1回の配布資料の資料2にあるように審査機関もだいぶ短縮されてきたが、本日ある委員から「時間を掛けて審査をする必要がある」との発言があった。
*しかし、審査に必要なものは何か?どこに時間が掛るのだろう?企業では当然プロジェクト管理の手法で何がネックなのかを具体的につぶして行くが・・・時間を掛ければ良いというものでもないはず。
開校までの時間:
(大臣の指摘)10月認可で4月開校では教職員、設備も前広に手配することになり不許可の場合に問題となる。この期間を1年とか1年半と言うようにすることが必要。
*これは必要でしょうね。
地域貢献/社会との関係:
(ある市長から)地域に貢献するような学校を。
*無医村解消など重要な役割もあると思うも、大学は実務学校やビジネススクールではなく、また、研究機関としての役割を忘れてはいけないのではないか。就職のための単なるステップであると、日本の将来は暗い。
一方、現在の企業が3年生から青田買いをする、という悪弊を止めねば改革に繋がらないのでは。
経営:
(委員の発言)「安定性」が大学に将来を託した学生の夢を砕かないためには絶対に必要。リスクを想定し、その対策も考えておく(学生数の減少など)。
透明性:
(委員の発言)財産目録の不透明、専任教員の曖昧さなど多くの点で透明性、可視化など当然のことがなされていない。また、設置認可を厳しくしてもその後を厳しくしなければならない。
(大臣の発言)逆に当該大学に不必要な施設・購入物なども目立つ。そのような無駄な使い方もチェックすべき。
などなど、出来れば次回も傍聴してみたいと思います。
参考まで、第一回目の配布資料から:
http://bit.ly/TEHUy3
資料6のページには
「25歳以上の学士課程への入学者の割合(国際比較)のグラフが載っています。
「諸外国は25歳以上の入学者の割合が平均約2割に達し、社会人学生も相当数含まれる一方、日本の社会人学生比率は約2%であり、大きな差があると推定される。」
・・・・・・・・・・・・・・・
若者がキャンパスで楽しい時間を過ごし、3年で就職して・・という日本の事情とは違って真剣に学ぼうとしている大学との差ではないか。これでは一部の大学以外は国際比較で諸外国の大学の後塵を拝することになるのは当然か。










文科省 : 通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果


出たばかりなので細かく見ていませんが、文部科学省から発達障害のデータが発表されました。
http://bit.ly/Unn6fE
記事はこちらから
http://s.nikkei.com/Vvtx4P
参考まで:
現在、厚労省では「障害者雇用」
文科省では「障がい学生」
の話が進められています。
その際に難しいのは障害者手帳を所持しない「発達障害」者の方々への対応です。
そろそろ会議のまとめの段階に入ってきましたので、その段階で、少し勉強してからまた投稿します。
尚、現在、障がい学生(大学生・大学院生)は1万人で全学生数250万人の0.3%、これに対しアメリカでは約10%。この比率を高めるには学内のバリアフリー化だけでなく、キャンパスに行くまで、つまり社会全体がサポートしなければなりません。しかし、更に考えなければならないのはその人たちの「働く場」をどうするか、と言うことで、両省の話が繋がっています。


2012/11/25

文化庁 : 文化審議会国語分科会国語課題検討小委員会



昨日、文化庁の文化審議会国語分科会国語課題検討小委員会という
集まりを傍聴させて頂きました。

今回は
(1)言葉遣いについて
(2)コミュニケーションの在り方について
が議事でした。
まだ審議中なのでまとまる前にその内容をお伝えは出来ませんが
在日ブラジル人児童生徒の教育の関係で各地を回った今回の
「カエルプロジェクトセミナー」での経験と重なる部分がありました。
特に今回の「ダブルリミテッド」の保護者・子どもの問題に触れて。

コミュニケーション力とは何か。
コミュニケーションを考えるときこちらの言葉の遣い方や技術
だけでなく、相手の語彙力、理解力をどこまでイメージできるか、
という当たり前のことが、これらの議論の中に明確に含まれていない
のではないかと、思いました。

既にどこかで議論されているのかとは思いますが、
外国に繋がる人々だけでなく、判断力が落ちてくる高齢者が増加する
そう遠くない明日を考えると、発言者を中心とした技術論から相手を
考えた真のコミュニケーションを考える必要があるのではなかと思い
ました。

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/bunkasingi/kentou_07/gijishidai.html


PS
資料3は新しいもので一部ではありますが、大手企業における
ビジネス・コミュニケーションの状況が分かります。

総務省 : 市区別登録外国人数



登録外国人統計2011年12月末の第8表がやっと出ました。

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001089591

の下から二番目のものです。

いつも指摘していますが、残念ながら「町」は含まれていません。
つまり、外国人集住都市会議メンバーの群馬県邑楽郡大泉町と滋賀県愛荘町は含まれていません。

それでも参考にしなければなりませんので、それをベースに
上位30位までのランキングを作成しました。ご参考まで。
国籍で異なる集住地区が分かります。

http://tspublic.jimdo.com/data/市区別登録外国人数/

外国人集住都市会議メンバーのデータは

http://www.shujutoshi.jp/member/pdf/2012.04.01sankatosidata.pdf

をご覧ください。こちらの方が新しいデータです。

在日ブラジル人児童生徒の教育 カエルプロジェクトセミナー(長文になりました)


一月ほど前にご案内した案件のフォローです。

10月26日から始まった本年のカエルプロジェクトセミナーは、約三週間の
スケジュールをこなし、終了しました。
関西、北陸、中部、関東・・関わった方々に深謝申し上げます。
講師お二人は本日無事離日されました。
今回、北陸で開催した際には、集まったこと自体に意味があるほど、母語で
話し合う機会が少ない地域もあり、その点でも意味のあるものでした。

出来るだけ保護者に情報が届くように尽力しましたが、まだまだの感があります。
一般に言われるのは:
参加する関心のある家族には問題が少なく、出席しない保護者の家庭が問題だ、
とステレオタイプの表現ですが、今回各地での話合いを通してそれを少し
考え直さなければならないのではないかと思うに至りました。

長くなるので二点だけ報告します。一つは親の責任、もう一つは日本での教育。
(教育の専門家ではありませんが、このセミナーをアテンドしながら皆さんの
やり取りを聞きかじって自分なりに理解したもので、間違っていましたら
私の理解力不足です。)
その他の点については、折に触れてまた報告します。

1.親の責任

�状況
「ダブル・リミテッド」の問題は相変わらずで深刻な状況。

�親の責任・教育力について
*これはあくまで一部の保護者の実態で全体ではないことはご理解下さい。

子供たちの教育に関して、
「親の責任」
と、決めつけてしまう場合が多いが、単純には言えない。
確かに保護者に問題がある場合もあるが、現在子どもを学校に通わせて
いる保護者自身が十分な教育を受けていなかったことがいくつかの例で
明らかになった。
アンジェロ・イシさんの表現を借りれば、在日ブラジル人一世の子供たち
つまり在日ブラジル人二世の中には、当時はブラジル人学校もできていな
かったこともあり、十分な教育を受けていない人も多かった。
また、ブラジルで教育を受けていても小学校までであった場合には
レベルの高いポルトガル語の表現の理解が難しいことが多い。

現在、小学校・中学校に通っている子供たちのうち在日ブラジル人三世は、
この保護者に育てられているが、そのような保護者は結果として
・自分が十分な教育を受けてこなかった保護者は「教育」の重要性を理解
 できていない
・ポルトガル語も小学校レベルから進んでいない場合にはポルトガル語に
 訳されていてもその資料を理解できないことになってしまう。
 (*通訳の方でさ小学校で来日した人はポルトガル語に不安を持っています)

今回、中川郷子さんが出来るだけやさしいポルトガル語で話をしても理解
できて居ない保護者が見られました。

これらの保護者に「しっかり教育せよ」と言っても関心も示さないのは、やりたく
無いのではなく、必要性も理解できないから、と理解すべき。

また、極端に言えば、これらの保護者が彼らの不十分な言葉で子どもを教育
すると逆効果になる恐れさえある。
中川さんは保護者の話は語彙力不足や表現力の問題もあるので、語彙を豊富
にするように本の読み聞かせが良い、と講演で述べられている。(読めれば
であるが)

今回のセミナーのチラシも読めない人もいますし、読めてもその内容が理解
出来ない・・・。これは事実です。従い、チラシを配ったから告知できたと考えず
地道に電話で説得する必要が出てくるのです。

�負の連鎖を断ち切るには
(表現は悪いが)負の遺産を受け継ぐ「連鎖」を断ち切らねばならないが、
それを保護者に頼れない以上、国、自治体、学校、地域でその役割を果たす
必要がある。
つまりシステムの構築が急務。
さも無くば、ダブルリミテッドの子供が10年後に大人になり、アルバイトで
食いつなぎ、最終的には生活保護に頼らざるを得ないような人々を作り出す
ことになる。
今の子供たちが親になると(10年も経たないうちにまた子どもが生まれる)
、また同じ問題が出てくる可能性は大。

これは20年前に改正入管法を導入しながらなんら手を打たなかった「ツケ」
である。

将来大きな問題となる前に今解決すれば逆に両国にとって役立つ人間になり
得るはず。

尚、今回は在日ブラジル人の話が中心ですが、現場では父親がブラジル人で
母親がフィリピン人で家庭内言語は片言の日本語で、母親とはビサヤ語、
父親とはポルトガル語・・と言うような複雑な家庭が出始めているとのことで
更に深刻になってきていると言えます。この過程の子どもの思考能力は
どうなるのだろう・・・。

2.日本での教育
ポルトガル語力不足のためブラジルで苦労していることを聞いて、日本での
教育に自信を失ったと感想を述べられる日本語指導者が何人か居られた。

日本の公立学校に通っている間は基本は日本語で「学ぶこと」「学ぶ楽しさ」
を習得するように指導することが重要。
言語はコミュニケーションの道具だけでなく、思考のベースであり、世界を認識
するための道具としての役割があることを教える側が十分に理解する必要がある。
つまり、単語・言葉だけを教えるのではない、と言うこと。
大変ですが、教師力をもっと磨く必要がある。


昨日のメイルの追加です:

現場でお聞きしているフィリピン人児童生徒の急増の実態から
するともっとフィリピン人が多いと思いますが、これは国籍が日本で
フィリピンにつながりがある子供が増えているのではないか
と推察します。
帰化した人々も含め、外国につながりを持つ人の把握が施策の
ためにも必要だと思います。

2012/11/08

孤独なツバメたち


11月10日豊橋市で上映
日系ブラジル人の記録映画

2012/11/06

浜松/ブラジル人 : 浜松に住むブラジル人が大幅減少



ブラジルから来日された中川郷子さんと日本各地を訪問しています。
一昨日は美濃加茂市、昨日は可児市に居ました。

美濃加茂市はソニーの撤退が大きな問題となっており、あるブラジル人学校では
保護者の20名ほどがソニー勤務で、来年3月までに失職することになり、帰国する
ことになると生徒減に繋がる可能性があるのではないかと戦々恐々。派遣会社が
新しい職場を探せるのか・・・。

この記事は一週間ほど前のものですが、浜松の状況のレポートです。



http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000001210270001


日本で最多のブラジル人が住む浜松市で、2008年秋のリーマン・ショック以降、ブラジル人の人口流出が目立つ。働き場所を失ったことが大きい。
 ■働き場所を失う
 1日現在で同市に住むブラジル人は1万1670人(全人口の約1・4%)。08年1月末のピーク時は1万9515人が登録しており、7845人も減った。
 同市には自動車など輸送用機器産業を始め、多くの工場がある。企業側は人手が足りず、日系のブラジル人たちは「出稼ぎ」を目的に来日した。
 蓄えもでき、家族を呼び寄せ、生活が根付くとそのまま日本で暮らすパターンが多かった。1990年の入国管理法改正で、日系2、3世とその家族には就労制限のない「定住者」の在留資格が認められたことが大きい。
 市によると、90年3月末に1457人だったブラジル人は、5年後には6527人、10年後には1万789人、15年後には1万4377人と急増した。
 しかし、リーマン・ショック以降、企業は東日本大震災や円高などを背景に、人員を削減したり工場を海外移転したりしてきた。雇用形態が不安定なブラジル人らは解雇されたり、雇い止めになったりして失業するケースが増えた。
 働く場が見つからないため、家族とともに帰国する例が増えているという。
 ■ユミちゃん帰国へ「友だち、いっぱいできたのに」
 「友だち、いっぱいできたのに……」。浜松市立芳川(ほうがわ)小2年で、日系ブラジル人4世のイトウユミちゃん(8)は、学校の友だちと鬼ごっこやドッジボールで遊んだことを言いながら目を伏せた。
 母のマユミさん(29)はユミちゃんと次女(5)と長男(1)を育て、両親も加えた6人で同市南区のアパートで暮らす。両親がアルバイトして生活を支えてきたが、マユミさんは子供たちを連れて11月に帰国することを決めた。
 ブラジル育ちのマユミさんは2001年、親を頼って来日。ところが、東日本大震災の影響で、父は勤め先の自動車部品工場をリストラされた。食品加工所で働く母の給料では、ユミちゃんが通うブラジル人学校の毎月の授業料3万円を捻出するのが難しくなった。
 こうした事情を知り、ユミちゃんが日本の学校に通えるよう支えたのが、浜松多文化共生事業実行委員会だった。浜松市の「外国人の子どもの不就学ゼロ作戦」事業を受託している同実行委は、ベトナムで日本語を教えた経験のある女性と、日系ブラジル人女性の就学支援員2人を派遣した。
 「子どもは学校に行きたがっている」「日本の学校について何も分からない」とポルトガル語で訴えるマユミさんに、2人は、公立の学校は授業料が無料であることなどを説明。「日本の子どもとなじめるのか」と不安だったマユミさんを励まし、ユミちゃんは昨年6月に入学した。
 いま、32人の学級で、もう1人の日系ブラジル人の男児とともに学んでいる。日本語や補充学習があるほか、週4日は通訳が来校して支えている。
 マユミさんの父は今年7月、やっと運転手のアルバイトが見つかった。だが将来の不安は消えなかった。
 ユミちゃんは「学校は楽しかった。校長先生も担任の先生もみんな泣いてくれた」。マユミさんは「日本に残りたかったので残念。親切にしてもらって感謝しています」と言った。【高田誠】

2012/10/28

スイス/教育 : 複数学年を1クラスに 複式学級の利点


ちょっと前の記事ですが気になっていたので。

ブラジル人学校を回ると、生徒数の激減から教師も削減され
複数学年を1クラスにしている学校が多く見られます。
これでは適正な教育が施されないのではないかと思ったのですが
複式学級は「それなりのやり方」をやれば利点もあるようです。

今のブラジル人学校の状況をそのまま認めるとい話ではありませんが
ステレオタイプでものを観てはいけないということですね。

僻地でも閉校・統合するだけでなく複式学級も良いかも。
年少者の人口減を考えると日本でも複式学級の研究も真剣に
進める必要があるのでは。

http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=33685888&rss=true

文科省 : 外国語教育における「CAN-DO リスト」の形での学習到達目標設定に関する検討会議(第4回)の開催


今週末から始まるカエルプロジェクトの準備で傍聴した会議のレポート
も出せませんでしたが来週「CAN-DO」に関する会議がありますので
ご案内と同時に少し書きます。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/10/1327143.htm

素人なりに感じたのは、ここの議論で重要なことは
1。CAN-DOの達成目標を作ることは、その指導方法も当然問われる。
つまり教師の力量の問題に戻ってくるということ。教師の意識改革に
つながる。
2。CAN-DOで目標を作り、それでシラバスを作る。本来ならそれから
教科書を作るのが本筋だが現在の教科書作成、選定はその逆になっている。
*今回、オブザーバーで参加しているのが教科書会社ではなく、テスト
を作る会社なのはその点が十分理解されていないのではないか。
今後具体的に現場ではどう対応するのか。

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日本語教育にも参考になる点があるのでどなたか傍聴されると良いと
思いますが。

これまでの配布資料

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/092/giji_list/index.htm

現場の労作が多く配布されていますので日本語・教育関係者の方が一度目を通され
ては如何でしょう。