国立社会保障・人口問題研究所の第14回出生動向基本調査の報告が出たことは4日ほど前に各紙で報じられています。
報告のタイトルだけテキストにしてみました。
電車の中吊り広告ではないので、内容を読んで頂かねばいけませんが、ご参考まで。
「結婚後15〜19年経過し、ほぼ子どもを産み終えた夫婦の平均出生数を示す「完結出生児数」は1・96人(前回05年2・09人)と、初めて2人を割った。」
「日本は1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率(10年1・39)も依然低い。ただ、それは晩産化と未婚者の増加が要因とされ、結婚した人の出生数は安定的に推移しているとみられていた。ところが、今回の調査はそれを覆す結果となった。同研究所は「2回連続で減っており、一時的現象ではない」とみている。」
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111021dde001040072000c.html
報告
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14/doukou14.asp
調査の概要
(1)調査の目的と沿革
(2)調査手続きと調査票回収状況
1.夫婦の結婚について
(1)初婚年齢、出会い年齢、交際期間
・ 出会い年齢が上昇、交際期間も延長し、晩婚化がさらに進行
(2)出会いのきっかけ、結婚のきっかけ
・ 職場、友人やきょうだい、学校を通じた出会いが7割を占める
・ 結婚のきっかけ、25歳までは「子どもができた」、25歳を過ぎると「年齢的に適当」が半数
2.夫婦の出生力
(1)完結出生児数(夫婦の最終的な出生子ども数)
・ 夫婦の完結出生児数が、はじめて2人を下回る
・出生子ども数2人未満の夫婦が増加
(2) 出生過程の子ども数(結婚持続期間別にみた出生子ども数)
・ すべての結婚持続期間において夫婦の出生子ども数が減少
・ 結婚年齢が高くなると出生子ども数は減少
(3)夫婦の出生率の動向(合計結婚出生率)
・ 夫婦の出生率は低下傾向にあったが、過去5年間はやや回復を示す
3.子どもの数についての考え方
(1)理想子ども数・予定子ども数
・ 理想子ども数、予定子ども数とも減少傾向が続く
・ 若い夫婦の出生意欲は維持されるも、実現が進まず
(2)理想の子ども数をもたない理由、予定の子ども数を実現できない可能性
・ 予定子ども数が理想子ども数を下回る理由、「お金がかかりすぎる」が最多
・ 1人目の壁は年齢・身体的理由、3人目の壁は経済的理由
・ 予定子ども数を実現できない可能性、「収入が不安定だから」「年齢・健康上の理由」
(3)子どもの男女組み合わせ
・ 女児選好の傾向が定着
4.赴任と流産死
(1)不妊についての心配と治療経験
・ 不妊を心配したことのある夫婦は3割、子どものいない夫婦では半数
・ 不妊の心配経験や治療経験は増加傾向
(2)流死産の経験
・ 6組に1組の夫婦が過去に流死産を経験
5.子育ての状況
(1)妻の就業と出生
・ 出産後、パートや派遣として働く妻の割合が増大
・ 育児休業制度の利用は拡大するも、出産前後の就業継続割合は停滞
(2)子育て支援制度・施設の利用
・ 正規雇用を継続する妻の9割が何らかの支援制度・施設を利用、ただし企業規模によって利用率に差
・ 子育て支援制度・施設の利用は増加
(3)祖母の子育て支援
・ 夫妻の母親(子の祖母)からの子育て支援は5割で推移
・ 妻が就業継続の場合、制度・施設に加えて母親(子の祖母)の支援を援用
・ 専業主婦(再就職型含む)でも子育て支援がないと出生意欲は低い
6.結婚・家族に関する妻の意識
(1)意識の概況
・ 「男らしさ女らしさは必要」、「結婚しても自分の目標を」
(2)意識の変化
・ 2000年以降、多くの項目で変化の方向が反転
(3)意識と出生意欲、出生子ども数
・ 妻が伝統的な考え方を持つ夫婦では理想・予定・出生子ども数が多い
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