2012/06/04

忙中閑あり:映画紹介です「オレンジと太陽」


こどもMLにも投稿しましたが、久しぶりに映画の話を投稿します。
今年の2月に紹介した映画ですが、やっと観ることができました。
東京神田神保町の岩波ホールで上映中の「オレンジと太陽」。
期待通りの良い映画でした。

長期にわたって行われていた英国からの児童移民を明らかにし
、傷ついた人々を救う活動を続けている英国のソーシャルワーカー
の話です。

1980年代に明るみなり、2009年に英首相が公式に謝罪した
事件で、イギリスからオーストラリアへの"児童移民(deportion
ですから"輸送")"は13万人にも及びました。

当時イギリス政府は福祉の名の下に身寄りの無い子供たちを
(イギリスだけではなく他の国の子供たちも)オーストラリアに
送っていました。これでは福祉国家のスローガン「ゆりかごから
墓場まで」ではなく「ゆりかごで墓場に」といったところです。
本来なら庇護されなければならない幼い子供たちを保護者
もなく1万3千キロも離れた国に送り込み、教育も施さず、
食料も衣服も与えず、重労働とレイプ(しかも教会で)・・。

その事実を命を懸けて明らかにして行く過程はミステリー
小説なみ。

フランスが自国の恥である1942年7月16日に起こしたナチス政権下
の史上最大のユダヤ人一斉検挙"ヴェル・ディヴ事件"を取り上げた
映画「黄色い星の子供たち」「サラの鍵」を作ったように、過去の過ち
を繰り返さないように、このような映画が作られることは良いことだと
思います。一部には「臭いものにはふた」と無かったことにする人間も
いますが。

自分のまわりにもこんな事件がないのか、触れられたくないために
事実が隠されているようなことがないのか・・一度見なければ・・。

それにしてもソーシャルワーカーの意識の高さの素晴らしさに感動。

参考までにいくつかのURLを紹介します。

http://oranges-movie.com/

http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD20777/index.html

児童移民トラスト
http://www.childmigrantstrust.com/

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