ブラジル人女性は米国人女性よりも野心が強く、トップレベルの職に就くことを目指していることが、ニューヨークの非営利シンクタンク、センター・フォー・ワークライフ・ポリシー(CWLP)の調査で分かった。
同調査によると、大学で教育を受けたブラジル人女性のうち80%以上がトップレベルの地位を望んでいるのに対し、米国ではその割合は52%だった。自分を「非常に野心的」だと考える女性の割合はブラジルが59%だったのに対し、米国では36%にとどまった。ただ、大学の学位を持つ女性で夫よりも所得が高い人はブラジルでは28%と、米国の39%を下回った。
同調査は、ブラジルとロシア、インド、中国、アラブ首長国連邦(UAE)の学士号以上の高等教育を受けた女性と男性4000人余りを対象とし、インターネット調査やインタビューを利用してまとめた。米国では大学教育を受けた2952人を対象に実施した。
CWLPのエグゼクティブ・バイスプレジデント、リパ・ラシド氏は、経済成長の加速や生活費の上昇によって、ブラジル女性が自らのキャリアに対して高い目標を持つようになったと分析。ブラジルは欧州債務危機の深刻化で経済成長が鈍化しているものの、11年の成長率は3%と予想されている。失業率は過去最低水準で、同国の一部都市では完全雇用状態にある。
ラシド氏は電話インタビューで「ブラジル経済は実に好調で、他に例を見ない空前の成長機会がある」と指摘。同国初の女性大統領に就任したルセフ大統領は女性にとって最高のお手本だと述べた。同大統領は8人以上の女性閣僚を登用し、女性の社会的地位向上を同政権の重要目標としている。
調査結果によれば、ブラジルで女性がキャリアを積む上で直面する大きな壁となっているのは、メンター(指導者)の不足や高齢の両親の介護だという。
「出世には上層部と関係を築いていくことが極めて重要だが、ブラジル女性にとってはこれが難しい」とラシド氏は語る。ブラジルでは労働者の技術不足が問題となる中で、女性が経済成長を支える人材となっている。大卒就職者の60%が女性だが、生活費の上昇から今後数年のうちに女性の労働力人口の増加が見込まれている。
また、同国の女性の69%は高齢の家族を介護するため、経済面で支援している。負担額は平均1万3000レアル(約54万4000円)と、年収の23%に上る。(ブルームバーグ Adriana Brasileiro)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120106/mcb1201060503014-n2.htm
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