2011.2.14 21:28
外国人を「市民」と位置付け外国人参政権容認を促す「自治基本条例(仮称)」制定を目指す高崎市は14日、市議会調査特別委員会に最終条例案の内容を説明した。市民から意見を集めた「パブリックコメント」を踏まえた上で、素案にあった他の条例を従属させる最高規範規定を削除。だが、批判の強かった外国人を市民として扱う条文は堅持した。このため、委員会では市議らから反対意見が続出。市は2月下旬から始まる定例議会に条例案を提出し可決する構えだったが、困難な情勢となった。
最終条例案では名称を「高崎市まちづくり基本条例」に修正した上で、最高規範規定を前文から削除。市側は委員会で「憲法や他の法律・条例との関連性を考慮すると、誤解を招くことが危惧(きぐ)された」(企画調整課)と削除理由を説明した。
ただ、市民の定義について、同課は「街づくりには、住民はもちろん通勤通学者や事業を営む方の協力は欠かせない」と従来の主張を展開した。さらに素案通り、「市内在住、在学・在勤、活動者」として、外国人を市民と位置付ける方針を明示。別に定める住民投票条例の投票資格者に外国人が含まれる余地を残す姿勢に最後までこだわった。
あくまでも外国人を市民と位置付けようとする市側の強硬姿勢に対し、委員からは異論が相次いだ。
木暮孝夫委員は「何らかの縁があるだけで、市民といわれても(市政や議会運営が)混乱するだけだ。市は高崎市、市議会は高崎市議会なのに、なぜ市民は高崎市民じゃ駄目なのか」と発言。
松本克彦委員も「他の(自治体の)街づくり条例をみても市民の定義付けはあえてなされてないものがあり、弊害が出ることを避けている。(最終条例案を)再考する必要があるのではないか」と慎重姿勢を見せた。
委員会終了後、木暮委員は、「選挙権のある市民のほかに、さまざまな人が(市政全般に)入り込む余地があり問題だ」と述べ、最終条例案に賛同しない意向を表明した。
また、市議会の最大会派「新風会」の丸山和久委員は「(最終条例)案を(会派の)市議に示し、意見をまとめる」と述べたうえで、「やはり市民の定義は気になる」と指摘した。(森本充)
0 件のコメント:
コメントを投稿