作品「サヨナラご機嫌ようFarewell |
同展では画家のヘンリー杉本さんが約3年にわたる収容所生活の中で、第2界世界大戦中に収容所生活を余儀なくされた日系人たちの様子を、わずかな絵筆と絵の具で木綿の布をキャンバスに代用し描いた油絵約20点を紹介する。
作品は「Longing 望郷」、「Farewell サヨナラ御機嫌よう」、「Protecting Our Flag我が国旗を護る」、「Wash Room 洗濯場」など(和歌山市民図書館所蔵)。収容所で集団生活を送る日系人たちが輪郭線を引いて描かれ、日米2つの祖国のはざまで生きた1世と2世の苦悩が表現されている。
杉本さんは1919年に渡米し、カリフォルニア州の芸術大学や美術学校で学んだ後、留学先のパリで画家の藤田嗣治さんと親交を結び、帰国後は美術展で入賞を重ね、画家としての基礎を築いた。その後、1941年の太平洋戦争勃発に伴い、多くの日系人と共に収容所に送られ、風景画が中心の作風に変化した。収容所内の学校では美術の教員を務めていたという。
JICA横浜市民参加協力課の工藤美佳子さんは「同展では肉声による作品解説スライドショーを放映中です。ぜひご来場ください」と話す。
開催時間は10時~18時。月曜休館。入場無料。3月21日まで。
アメリカ西海岸を中心に暮らしていた日系人約12万人は日米開戦後、内陸部の砂漠地帯に建設された計11の収容所に強制収容された。ルーズベルト元米大統領は「敵性外国人」を隔離するため、日系人排除命令に署名。1988年にはレーガン元大統領が謝罪し、生存している被強制収容者全員にそれぞれ2万ドルの補償金を支払っている。
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