[チュニス 14日 ロイター] 反政府デモによって政権が崩壊したチュニジアからイタリア南部に不法移民が押し寄せている問題で、チュニジア政府は流出を防ぐため、沿岸都市2カ所に軍部隊を投入した。関係筋が14日明らかにした。
チュニジアでは23年余り続いたベンアリ政権が1月14日に崩壊して以来、政情不安が続いており、先週には4000人以上がイタリア南部のランペドゥーザ島に到着している。
チュニジア軍の関係筋は、移民の流出拠点となっているガベスとザルジスに軍部隊を派遣し、沿岸警備隊とともに監視活動を行っていると述べた。国際移住機関によると、ザルジスでは、不法移民は密入国業者に1800ドル(約15万円)を支払い、イタリア側に渡っている。
イタリアのフラティニ外相は不法移民について協議するため、14日にチュニジアの首都チュニスに向かった。また、イタリアのベルルスコーニ首相はファンロンパイ欧州連合(EU)大統領と会談し、チュニジアの移民問題は「危機的状態」にあり、EU全体に影響を与えると指摘した。
複数のアナリストによると、チュニジアやエジプトで起こった反政府活動は周辺諸国に飛び火する懸念があり、移民増加を抑えるためこれまで北アフリカ諸国の独裁政権に頼っていた欧州諸国にとっては悪夢のシナリオとなる可能性もあるという。
Source: Reuters
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