卒業しても仕事が見つからない日本人学生とは対照的に、外国人留学生の採用は「売り手市場」の傾向が強まっている。海外事業に活路を求める中堅中小企業などが人材獲得に乗り出し、大企業などと争奪戦を繰り広げている。
「求める条件にあった人材がいれば、すぐに採用したい」。大阪市で15日開かれた外国人留学生向けの合同企業説明会に初出展した機械メーカー、ササクラの人事担当者は、中国出身の留学生獲得に力を入れる。
取引先企業が工場を海外へ移したのを機に、新たな取引先を求めて中国でのビジネスを拡大させる。さらにアジアでの事業拡大を視野に、今後、外国人留学生の採用を強化する計画だという。
説明会は、留学生の就職支援を手掛けるパソナグローバル(東京)と大阪府などが共同で開催。シャープ、パナソニックなど大手メーカーに加え、中堅の製造業や小売業、園芸会社、会計事務所まで、関西や関東から当初予定の50社を上回る61社が出展した。留学生は中国人を中心に約1100人が集まり、会場は熱気に包まれた。
奈良県の大学で貿易事務を学ぶ中国福建省出身の張建洪さん(28)は「自分の力を発揮でき、採用にも熱意を感じる企業に就職したい。海外業務の立ち上げにも参加してみたい」と、中堅中小の貿易関連会社のブースを中心に訪問。企業の規模や知名度にこだわらない留学生が増えている。
パソナグローバルの市川知之副社長は「海外事業所の開設や、国内で海外取引先とのやりとりを任せたいなど、即戦力を求める企業が多い」と、新たに出展した中堅中小企業の採用動向を分析する。
昨年12月に中国初出店した眼鏡販売のジェイアイエヌは、昨年から中国人留学生を中心に積極的に採用している。ただ担当者は「接客マナーなど日本の小売りサービスを理解した人材を探すのは難しい」と話しており、期待通りの留学生を獲得するには課題も多いようだ。
Source: スポニチ
0 件のコメント:
コメントを投稿