「海外移住と文化の交流センター」を訪れた日系ブラジル人ら=神戸市中央区山本通3 |
ブラジルで暮らす日系1~3世の31人が10日、かつて1世らが渡航前の最後の時間を過ごした神戸市中央区の旧神戸移住センター(現・海外移住と文化の交流センター)を訪れた。1世たちは当時を懐かしみ、ほとんどが日本語を話せないという3世も、新天地を夢見て海を渡った祖父母の姿を思い浮かべた。
1955~67年、全国から農家の青年ら計2508人がブラジルへ渡った「コチア青年移住」。今回は、移住者らでつくる親交団体「コチア青年連絡協議会」が、1世の孫に当たる3世にも自身のルーツを知ってもらおうと企画した。
群馬県出身で一行の団長を務める羽鳥慎一さん(70)は59年の移住後、初めての来日。ブラジルでは観葉植物の栽培を手掛けており、今回は妻と次男、孫の円城寺ルカス君(14)と参加した。
同センターの前に立った羽鳥さんは「広い所で農業をしたいという一念だった。希望に満ちあふれていた」と当時を振り返り、「3世には将来、さらに両国の交流を深めてほしい」と期待を込めた。ルカス君は「(羽鳥さんは)違う文化やたくさんのことを学ぶために日本を離れたのだと思う」と、若き日の祖父に思いをはせた。
一行は先月29日に来日し、年末年始を親せきの家などで過ごした。今後は東京観光などを楽しみ、16日に日本を離れる。
(紺野大樹)
Source: 神戸新聞
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