失業した日系外国人に介護の技術や日本語を学んでもらう研修が鈴鹿市と四日市市で行われている。以前は工場などに勤めていた35人が参加し、ホームヘルパー(訪問介護員)2級の資格取得を目指している。
研修は、高齢化で需要の高まる福祉分野への転身を図る日系人を支援しようと、鈴鹿市のNPO法人「愛伝舎」と四日市市の学校法人「大橋学園」に県が委託し、昨年11月~今年3月に行っている。緊急雇用対策事業のため授業料は不要で、逆に研修費用が1日あたり7550円支給され、家族のいる研修生らも安心して学んでいるという。
愛伝舎は鈴鹿市や津市などのブラジル人15人とペルー人4人、ボリビア人1人を受け入れた。20~67歳と年齢は幅広い。介護の座学を100時間と市内6カ所に分かれて実習や研修を計17日間、日本語学習を350時間を行い、現場で必要とされる実力を身につける。
鈴鹿市秋永町の高齢者施設では、4人が実習中。入浴や食事の世話、会話などを利用者と接しながら学ぶ。「人当たりがいい」と評判は上々で、研修生も「重労働もあるが、みな親切で楽しく学べる」と笑顔だ。
愛伝舎の坂本久海(くみ)子 代表は「外国人の福祉の分野への進出は少子高齢化を迎えた日本のためでもあると思う。外国人が安定した仕事を得ることで共生を図っていければ」と話している。
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