2012/01/24

原発 : 黒沢明「夢」

かなり旧聞に属する話題で恐縮ですがひょんなことから昨日故黒沢明監督の1990年の作品「夢」を
劇場で観ました。
公開当時にご覧になった方も多いかも知れませんがその話題を。
黒沢監督自身の夢をベースにした8話からなるオムニバス形式の映画です。
びっくりしたのは、その中の6話目「赤冨士」。
北斎の赤富士に関係のある話かと思いましたが、原発が爆発した話。
「安全だ、って言ってたやつらは許せない」とまるで福島の問題を取り上げているようです。
また、7話目「鬼哭」は核戦争で放射能に汚された土地で鬼になってしまった人間や強大化した植物の話。
今の状況を20年以上も前に見越したような映画でした。
チェルノブイリの事故は既に起きていましたので、それが夢に出てきたのかも知れませんが、それにしても鋭いですね。
WEBで検索したところ原発事故後すでに話題になっていました。
色々なブログ/ホームページに載っていますが、一つだけ。
http://www.cinematoday.jp/page/N0031643
最後の8話目、「水車のある村」で老人(笠智衆)が自然とともに生きることを淡々と語っていました。
(電気がないことで夜が暗くないかとの寺尾聰の演ずる若者の問いに)「夜は暗くなければ夜ではない」そう、日本は明るくし過ぎですね。
「星の見えない明かりはいやだ」その通り。
なお、この映画はスピールバーグがサポートしているし、俳優として2007年にアカデミー監督賞をとったマーティン・スコセッシがゴッホの役で出ていたのも驚きでした。

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