2011/02/20

沖縄県:副知事退任安里カツ子氏に聞く 移民100周年印象に 心残りは雇用拡大

退任に当たり任期中の感想などを

語る県の安里カツ子副知事
=18日、県庁


県の安里カツ子副知事が19日付で退任した。歴代3人目の女性副知事として、仲井真県政1期目から4年間の任期を務めた。本紙などと18日行った退任インタビューの要旨を紹介する。
―印象に残ることは。
「仲井真弘多知事が2007年6月に入院した後に仕事量が増え、(08年には)知事代理でブラジル・アルゼンチンの移民100周年記念式典に出席した。大役だったが、県人の子孫が伝統を守りながら活躍していることにものすごく感動した。昨年(17世紀に江戸上りの途中で病死した)具志頭王子の没後400年の節目に、静岡の清見寺で墓の修復に関わり、静岡と交流できたことも印象深い」
―やり残した仕事は。
「知事も力を入れている(雇用拡大の)グッジョブ運動だ。失業率がなかなか改善しないことは大変心残り。非正規雇用などの問題も出てきたが、運動を盛り上げなければ状況はもっと悪くなったとも思う」
―今後の女性登用についての意見は。
「女性が仕事と家庭を両立するには夫や親などいろいろな人の世話にならないといけない。私はその恩返しのつもりで副知事を引き受けた。生易しい仕事ではなく、大きな責任もあったが、常に前向きに考えることで気が楽になった。今回、知事にはどんどん女性を登用してほしいと申し上げた。(幹部などの男女比が)半々になれば一番いい」
―基地は所管外だが、首相らとも何度も対面した。
「首相や閣僚が何度も来たが、本当に沖縄を分かっているのだろうか。政党内も意見がばらばらで、負担軽減と口では言うが、なかなか達成できない。課題は多いが、ぜひ知事を中心に頑張ってほしい」
―今後の活動は。
「任期後半に体調を崩して休んだのでまずは充電したいが、女性の人材育成にずっと関わってきたし、県民の役に立てることを何か考えたい。紅型や花など沖縄にある素晴らしいものも紹介していきたい」
―後任副知事の与世田兼稔氏について。
「弁護士で企業関係にも大変詳しく、次の振興計画へ大変時宜を得た人事だ。大いに期待している」
(聞き手 与那嶺明彦)

0 件のコメント:

コメントを投稿