2011/04/07

原子力産業を悩ます使用済み核燃料の問題 地層処分に動き出すスウェーデン

Financial Times から引用です。

こんなに長く貯蔵しておかないといけないものを使用して
モダンライフを享受するのは赤字国債どころではない
もっと大きな子孫への「負の遺産」。やはりこの辺りで
考えなければ。

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(2011年4月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
福島第一原子力発電所の危機が明らかになる中で、スウェーデンが、
長らく世界の原子力産業を悩ませてきた問題に取り組むための
大きな一歩を踏み出した。
30年前から計画されてきた高レベル放射性廃棄物の恒久的貯蔵施設の
建設が正式に申請されたのだ。

生命への危険がなくなるまで10万年以上地下に埋蔵
スウェーデンは一歩前進したとはいえ、日本の惨事によって、
世界の大部分では、一時的な施設に貯蔵されている何万トンもの
高レベル放射性廃棄物を恒久的に処分する解決策を見つけるには
ほど遠い状態にあるという事実が露呈した。

福島第一原発が抱える重大な危険の1つは、数十年分の使用済み
燃料棒が津波に襲われた施設の冷却プールに詰め込まれていること
によるものだ。

原発に反対する活動家は、各国政府は原子力発電の拡大計画を推進
しながら、増え続ける放射性廃棄物については見て見ぬふりをして
きたと非難する。
解決策がないなら、原発新規建設を認めるべきではない
グリーンピース英国支部の主任研究員ダグ・パー氏は、
「この問題について適切な解決策を持たないのなら、政府は原発の
新規建設を認めるべきではない」と話す。

3月11日の地震と津波の発生以来、福島第一原発は相次ぐ火災と
放射能漏れによって損傷を受けており、専門家の間では、プール
に貯蔵されている使用済み燃料の量の多さも一因ではないか
という声が出ている。
地震の影響を受けやすい日本では地下に埋める処分が他国より
難しいため、使用済み核燃料は特に厄介な問題だ。
しかし、地質学的に日本ほど不安定ではない地域でも、
恒久的貯蔵施設の建設に向けてスウェーデンほど踏み出した国は
ほとんどない。

オバマ大統領は貯蔵施設建設計画を中止
米国は世界で唯一、地中深くの貯蔵施設を運用している。
ただし、ニューメキシコ州にあるこの施設は、兵器の研究や生産に
よる廃棄物しか受け入れていない。

英国でも、1956年に最初の原子炉が稼働を開始して以来、廃棄物が
蓄積されている。政府は今まさに、地下貯蔵施設の建設地について
諮問しているところだ。複数の専門家によると、プロジェクトの規模
は英仏海峡トンネルの建設に匹敵するという。

JBPress

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