2011/04/14

被災していない人にも「共感疲労」という苦しみがある

精神科医の香山リカさんのダイアモンドに載った文章です。
一部を抜粋させて頂いています。
最後の
「いま被災地以外の人がもっとも大切なことは、自分で自分を保つこと、自分のことを自分で支えることです。それによって、世の中の多くの資源が被災者へとつながるので、それが、最大の支援になるのです。そのためには、社会としてある行動を強制せずに、それぞれの人が無理なく過ごせるような情況が大切です。」
の通りして行かないと共倒れになりそうです。
1.共感疲労を起こすと、冷静に話をきけなくなる
「共感するという行為は、本来は褒められて然るべきことです。
津波によって家族を失った人、住むところを失った人の映像を見て、直接被災地に行って被災者に触れたわけでもないのに、思いを寄せ過ぎて精神が疲労しているのです。これが共感疲労です。
精神科医は、共感疲労を避けるためのトレーニングを受けています。
自分の心を消して話を聞くというと、冷たい人と思われるかもしれません。でも、共感疲労に陥ってしまっては冷静に話を聞くことができなくなります。身がもたなくなってこちらが倒れたら、精神科医は務まらないので、そのためのトレーニングを受けるのです。」
2.他人事としてとらえる 「分離」のメカニズムで心の平衡を保つ
「災害が起こると、直接関係のない人は、どこか高みの見物のようなところがあるものです。」
これは
「自らの身を守るためのメカニズムといってもいいです。」
3.震災への受け止め方は人それぞれ。反応の仕方も人それぞれでいい
「被災地では多くの人が命を落とし、いまだ行方不明の方が多数いらっしゃいます。そのなかで、何日が経ってから家族の生存が確認された人が、テレビのインタビューに「周りの人たちのことを思うと、申し訳ない」と語った姿が印象的でした。」
「「私じゃなくてよかった」と思える状況でも、罪悪感を持つ人が少なくないのです。そして、これは直接被災していない地域の人たちにも見られる現象です。共感疲労を端緒とした罪悪感と言ってもいいでしょう。」
「もう一つは、何も支援できなくて申し訳ないという考えです。多くの人がボランティアやチャリティをやっているのに、自分は何も行動していない。まして、自分は義援金もあまり多く払う余裕がない。そんな人が、誰かに強制されたわけでもないのに、自分を責めてしまう。こんなことで心を痛めている人がいるというのは、本当に不幸なことです。」 
「いまや日本は一致団結して「自粛」をしようという空気が蔓延しています。それはあたかも一人ひとりの行動を強制的に制するかの雰囲気が漂っています。自粛をしないと「不謹慎」と白い目で見られてしまう。これは社会として決して健全ではありません。」
4.自分のことを自分で支えること。これがいま被災地への最大の支援となる
「共感疲労、そこから派生する罪悪感によって心の調子を崩す人は、もともと思いやりのある優しい性格の人です。それも否定しなくていいのです。しかし、その疲労によって、結果的には被災者への支援とは逆向きの効果になっています。」
「いま被災地以外の人がもっとも大切なことは、自分で自分を保つこと、自分のことを自分で支えることです。それによって、世の中の多くの資源が被災者へとつながるので、それが、最大の支援になるのです。そのためには、社会としてある行動を強制せずに、それぞれの人が無理なく過ごせるような情況が大切です。」
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