2011/01/23

静岡:運転免許:ポルトガル語で学科試験、来年度中にも実施 日系ブラジル人母国語

県警は、ポルトガル語で運転免許の学科試験を受験できるよう、問題文の翻訳などの準備を始めた。県西部に多く住む日系ブラジル人はポルトガル語が母国語だが、これまで英語や日本語で受験していたため合格率が低迷。ポルトガル語での受験を希望する声が多かった。県警は来年度中にも実施する計画で、日系市民らも「免許が取りやすくなれば、職種の幅も広がる」と歓迎している。【竹地広憲】
 県警運転免許課によると、10年に運転免許の学科試験に臨んだブラジル人は2045人。統計を取り始めた05年以降、年間2000人以上が母国語以外で受験している。しかし、合格率は約3割にとどまり、日本人の半分程度にとどまっている。
 法務省の在留外国人統計(09年12月末現在)によれば、県内で暮らすブラジル人は全国2位の4万2625人。県警には「母国語で受験させてほしい」という要望が多く寄せられていた。
 浜松市西区の「県セイブ自動車学校」には05年以降、年間200人前後の日系人が通う。日系ブラジル人の指導員が母国語で実技などを教える一方、学科試験は英語で受験するよう指導してきた。英語を学ぶ分、学習時間が増えるなどして、結果的に合格率が低くなっていたという。
 同校に通う袋井市の工員、イマムラ・ダニーロさん(24)は「今はバスや電車での通勤だけど、免許があれば職探しの幅も広がる。ポルトガル語で受験できれば、まだ免許を取得してない友人も喜ぶ」と歓迎する。同校の関宮安典統括部長は「私たちも以前から要望していた。受験しやすい環境が整うのはありがたい」と語る。
 県警運転免許課は「免許が取りやすくなれば、働きやすい環境が整い、日本の交通ルールを学んでもらう機会も増える。共生していく上でも必要な対策だと考えた」と話している。
Source: 毎日新聞

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